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2011/08/15

5枚のレコードと未知について

《 ユルゲン·フォンマンジェ·ケーニッヒ / 『母キラー』いったいどんな内容? 》


 わたしは五枚のレコードを持っていて、レコードプレイヤーを持っていない。


 そのうち二枚はもう七年聴いていないし、三枚は一度も聴いていない。それは叔父にもらった二枚と、ベルリンの蚤の市で買った三枚だ。

  1. 死刑台のエレベーター

  2. ボブ・ドロウ
  3. ベートーベン
  4. おじさんの絵のドイツのコメディレコード
  5. ニューオーリンズジャズ

 どこかで聴けないか、策を練ろうと思った。部屋の中に音楽があるのに、その正体を知らないというのは不運だろうから。同様に、部屋の中に小説があるのに、まだその物語を開いていないものも数冊ある。これもやはり、残念なことだろう。

 「いつか必要さ」といった類いの、雑な衝動がもたらした産物は、物欲の象徴としてのインテリアと化してしまいがちだったけれど、歳を重ねるごとにそういった欲望の歪みは少しずつではあるが、薄まってきたような気がする。そしてこうした変化は、精神的安定と妙な清々しさをわたしにもたらした。『
多くのものを持たない』 というミニマルな姿勢が、日常時間に丁寧さという雰囲気を生み出すのかもしれない。


 20代の前半の頃は、何かとてつもなくハイな集中力のバイオリズムが、わたしの心と身体の基盤にあったように思う。物事を探求する時に必要な、穏やかでたっぷりとした思考のアプローチや、ライフスタイルにおける本来的な居心地の良さを重視せずに、何かにつけてただその瞬間の情熱的な勢いに任せた行動を繰り返していたような気がする。

 長かったハイテンションの20代前半がようやく収束し、始まったばかりの後半を過ごしている今年、自分が意外にも静かな人間だということを発見した。もっと詳細に表現すると、静かであってもまったく困らない人間、だということを発見したのだ。これは、とても面白い発見だった。だって生まれてから今まで、自分の静かな一面を意識したことがなかったからだ。いつも、物静かな人の佇まいに憧れてはいるけれど、気を抜くとすぐに、わたしはひょうきん者になってしまうからだ。

 それから気がついたことがもう一つある。今まで何気なく繰り返していた習慣に意味があることも気がついたのだ。

 たとえば朝という時間。とにかく、どうしても誰にも会いたくなくて、何も見たくなくて、何も聴きたくなくて、ただ静かに目覚め、食事をし、身支度をし、家から出かけるための勇気の準備が必要だ、とかを発見した。

 当たり前にそこにあるのに、よく知らないことで、わたしの生活は埋め尽くされている。妙な話だ。

 今夜は、しばらく聴いていないレコードや聴いたことすらないレコードを部屋に並べて、『未知』について考えていた。

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